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選定家督相続人とは何か

明治時代に施行された旧民法の下では、家督相続制度というものが行われていました。

 

家督相続とは、戸籍上での家の長を決定してその人物を戸主とし、
次世代に継承していくという制度です。

 

これまで戸主が持っていた個人的な権利以外の全ての権利義務を、
次へと引き継いでいくもので、
該当する人物は嫡出子の長男とする単独相続が原則となっていました。

 

簡単に言うと、何人兄弟であろうとも家督相続人は基本的に長男が行うものとし、
その家の財産を全て受け継ぐ必要があるという制度です。

 

当時は、前戸主の財産や身分などを全て受け継いでいたため、
その家の財産を守る権利があり、同時に一族の面倒をも見ていく立場であったため、
家督相続人はとても強い権限を持っていたことになります。

 

 

現行の民法においては、相続は被相続人の死亡によって開始されるものとなっており、
これは民法第882条にも記載されています。

 

しかし、家督相続が行われていた旧民法の下では、
相続は必ずしも戸主の死亡により開始されるものとは決まっていません。

 

それには、戸主が生前に家督を他の者に譲り、自身はその座を隠退する「隠居」や、夫が、
戸主が女である家に入った場合の「入夫婚姻」などというケースも発生していたからです。

 

家督相続人の選出には優先順位が決められており、第1位~第5位まであります。
このうち選定家督相続人は第3位と第5位にあたります。

 

選定家督相続人には2種類に分けられており、
家族の中から選定した場合を「第一種選定家督相続人」、
家族以外から選定した場合を「第二種選定家督相続人」となります。

 

第1順位は「第一種法定推定家督相続人」で、被相続人の直系の後継者です。
複数いる場合には男子・年長・嫡出子・男子の認知された非嫡出子・女子の嫡出子
という順番に選出されます。

 

第2順位は「指定家督相続人」で、
被相続人が生前や遺言により指定した人物のことです。

 

第3順位は「第一種選定家督相続人」で、
被相続人の父母や親族会により同じ戸籍上から選定されます。

 

第4順位は「第二種法定推定家督相続人」で、
被相続人の父母や祖父母、曾祖父母のことです。

 

第5順位は「第二種選定家督相続人」で、被相続人の親族会などが、
親族や分家の戸主、本家・分家の家族などから選定した人物のことです。

 

このような優先順位を付けて家督の選出を行っていました。
選定家督相続人の中では、家族の中から選出するのが優先とされていました。

 

現行の民法では、この独占的とも言える家督相続制度は廃止され平等相続となっていますが、
遺産を巡る相続トラブルは旧民法時よりも増加しているとも言われています。

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